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2015.08.28

中国人民元切り下げ、香港への影響は?②

投資意欲が下がり、香港の地価高騰が抑えられる?

香港の市民は、中国本土の富裕層による投資の影響で香港内の地価が高騰しているという問題に大いに悩まされています。元安により香港への投資は控えられるのでしょうか。

8月11日の人民元切り下げから二週間程度、中国本土内の資産価値が今後さらに減少するのではないかと懸念した投資家たちが香港の物件を大量に購入しているようです。この流れに乗り、短期的には、香港への投資は急激に増加する可能性があります。

しかし、長期的には、元の価値が下がるにつれて香港の物件の割安感が下がり、投資意欲は減退するものと予想されます。これにより地価高騰が抑えられれば、香港市民にとっては良い影響であると言えるでしょう。

ただし、中国本土にとっての香港へのアクセスの良さを考えると、その他の国で投資するよりも望ましいという観点から、投資意欲が下がることはないという見解もあります。

香港内の消費活動への影響は少ない?

香港での消費者の行動に対してはどのような影響があるのでしょうか。

ショッピングモールでの売上をみると、ハイブランドは中国本土からの観光客に売上を大きく依存しているため、閉店に追い込まれている店舗も増えています。

ハイブランドに依存しないタイプのテナントでは基本的に香港市民からの安定した来店が見込まれているため、中国本土からの観光客の減少による影響は少ないと考えられています。

小売業全般で考えると、昨年の売上の38%が中国本土からの観光客によるものであったこともあり、さらなる元安が続けば売上の大きな減少につながると考えられています。

これは最終的に、地主が家賃の値下げを行わざるを得ない状況になると予想されており、そこから長期的には市場の動向に応じて安定すると考えられています。実体経済を反映して落ち着くことになり、結果的に消費者の行動にも影響は少ないといえるでしょう。

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2015.08.22

中国人民元切り下げ、香港への影響は?

中国人民銀行が8月11日~8日13日の3日間連続、人民元の対ドル為替レートの基準値を引き下げたことで、さまざまな論争が飛び交っています。

11日に1.9%、12日に1.6%、13日に1.1%という急激なペースでの引き下げが実施されたことに対して、意図的な為替操作であると米国からの批判も受けていましたが、香港から見た場合はどの程度の影響があるのでしょうか。

中国ではこれまで米ドルに合わせて人民元の上昇が続いており、実際の経済状況が通貨高に追い付いていない状況に陥っていました。

内需低迷、輸出減少による経済状況の悪化が目立っていた中国は、元安への誘導により主に輸出を促進するため、今回の切り下げに踏み切ったと考えられています。

この影響で、シンガポール、韓国、タイなどの米ドルに対する通貨安も継続し、市場の混乱が起こっています。ベトナムでも中国に対応するため2度にわたりドンの切り下げを行うなど、経済のバランスに変化が起ころうとしています。

人民元の切り下げを受け、香港を含め世界中の株式市場では中国関連企業の株価下落や、東南アジア関連企業の株価下落が目立っています。

香港市場では、8月20日時点で主要50銘柄で構成されるハンセン指数が5日続落し、年初来安値を更新しています。

中国経済への先行き不安から、投資家マインドの冷え込みが続くと予想されますが、香港では、短期的にはある程度の影響があるものの、長期的な観点では、10%~20%の切り下げが行われない限りはほとんど影響がないという予測が一般的です。

短期的な影響と、長期的な影響、次回のブログでは、香港の土地価格、消費活動への影響について少し掘り下げてみていきたいと思います。

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2015.08.12

香港は自由放任主義(レッセフェール政策)を放棄すべき

香港行政長官の梁振英(C.Y.Leung)氏が、今後の香港経済の発展のためには「自由放任主義(レッセフェール政策)」という考え方を放棄し、企業活動への政府の介入を促進すべきであると発言し、論争を招いています。

中国へ返還された後も「一国二制度」を維持し、イギリス植民地時代より引き継がれている自由主義経済の原則に従い高度な経済成長を遂げてきた香港ですが、今後シンガポールや韓国との間で競争力を保つためにはこの「積極的不介入主義」が足かせになると、梁行政長官は主張しています。

市場の競争に任せるボトムアップ型の経済政策でここまで成長してきた香港に対して、シンガポールのように政府が積極的に市場経済を管理するトップダウン型の政策で急速な発展を遂げた国家もあります。

自由放任主義が生み出した問題点として、梁行政長官はまず香港の住宅不足に触れており、対策として香港政府による土地利用計画の見直しや海の埋立て案があることを述べています。

また、「新シルクロード(一帯一路)構想」(中国を起点に欧州までを陸路と海路でつなぐインフラ開発構想)へ積極的に関与していく旨の発言もあり、中国本土の経済政策へ歩み寄る姿勢がうかがわれています。

しかし香港では、これまでの経済発展を支えてきたのは自由放任主義であるという意見が多く、自由放任主義の放棄に反対する声や「一国二制度」が今後守られていくのかとの不安の声があがっています。今後の香港政府の発言に注目する必要がありそうです。

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2015.08.03

FRBの金利予測が流出?

7月29日にFOMC(米連邦公開市場委員会)終了後、FRBが金融政策を発表した。

利上げのタイミングについて踏み込んだ発言は無く「ゼロ金利政策を維持」とのこと。このままだと、9月の利上げは無く、12月にずれ込むかもしれません。

そう言えば、今回の発表を遡ること1週間、FRB(米連邦準備理事会)の内部資料が、FRBホームページで誰でも閲覧可能になったことが話題となりました。

閲覧できた内部資料は、アメリカの政策金利(フェデラルファンドレート)、経済成長率、失業率などの予測について。特に政策金利は、円ドルの為替相場や香港の不動産価格などにも大きく影響するため注目です。

以下が流出した政策金利です。

FRBスタッフの予測

2015年10-12月平均: 0.35%
2016年平均: 1.26%
2017年平均: 2.12% 

FOMC参加者の予測中央値

2015年末: 0.63%
2016年末: 1.625%
2017年末: 2.875% 

上記数値は、期間平均と年末数値の違いがあるため一概に比べることはできないが、FRBとFOMCは今年末に0.5%程度の金利になると想定しているようだ。現在は、事実上のゼロ金利政策により約0.1%のため、年内に利上げがあることは間違いないでしょう。

一般的には、金利が上がるとその通貨は強くなる。2003年以来の高値となっているドルインデックスで、不調のユーロと円を横目に増々上がってしまうかもしれません。

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2015.07.27

金と米ドルの逆相関

金の価格が急落し5年来の安値となる1100ドルを切りました。2011年に1923ドルの最高値を付けたあとは下落の一途を辿っており、ピークから半値になるのも時間の問題かもしれません。金同様にコモディティも売られ、中国の景気減速がここにも影響していると言われています。

金の上昇が始まったのは2008年10月頃、ちょうどリーマン・ショックと重なります。米ドルが弱くなるにつれ、金が強くなります。そして円高がピークを迎えた2011年、ドルと金は共に折り返し地点を迎え「米ドル上昇、金下落」が始まり現在も続いています。

「ドルが上がれば金は下がり、ドルが下がれば金は上がる」、すなわち「金と米ドルの逆相関」が教科書通り成り立っているということですね。

モルガン・スタンレーのレポートでは、金価格は800ドルまで下落する可能性があるとのことです。米ドル高が今後も続くとなると、黒田ラインと言われている1ドル125円を越える日もそう遠くないかもしれません。

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