世界的にマネーロンダリング対策が厳しくなる中、香港も銀行口座開設がかなり厳しくなってきた。
香港法人を設立しても、拠点が無く人も雇っていないようなペーパーカンパニーは開設できなくなりつつある。香港での銀行口座開設の必要性を説明できればまだ口座開設ができる金融機関はあるが、日本法人やオフショア法人においては口座開設審査すら断られることがほとんどだ。
HSBCとハンセン銀行は、かつては香港に登記しないオフショア法人(セイシェル法人やアンギラ法人等)の口座開設も中心となって受け付けていたが、現在は事業用のオフショア法人はほぼ断られている状況だ。
香港で口座が開けない場合は、タックスヘイブン地域にあるマイナーな金融機関で口座開設するか、i-accountのような銀行ではないシステムを使い決済するしか方法はなくなるだろう。しかし、法人の口座を開設するにあたっては、あまりにもマイナーで日本語での情報量が少ない金融機関を利用するのには多少なりとも不安がある。
香港で他に法人口座開設ができる金融機関はないか探し回っていたところ、香港にある日系資本の金融機関のニッポンウェルスリミテッド(NWB)に問合せをしてみるに至った。
NWBは香港法人、日本法人、オフショア法人の口座開設を受け付けているそうだ。日本法人の口座開設を受け付けている金融機関は恐らく香港ではNWBだけではないだろうか。
NWBは資産運用に特化しているので、事業用途としてはもちろん使えない。HSBCに多くの方が資産運用目的で口座開設しているが、言語の壁にぶつかり多くの方が断念している。一方、NWBは日本人が多く在籍し、日本語対応のため、資産運用目的の方には良い選択肢になるのではないだろうか。
NWBでは、12月1日~3日に金融の専門家を講師に招いて投資フォーラムが開催されるようだ。有料となっているが、海外での法人口座開設、資産運用などに興味のある方にとっては良い機会となりそうだ。
https://jp.www.nipponwealth.com/local/investment_forum03.php
香港での銀行口座開設は今後もさらに厳しくなっていくのではないだろうか。まだ望みがあるうちに対策を練っておきたい。