2016年春頃から香港のHSBCの法人口座開設審査が非常に厳格になっているが、それを象徴するかのような裁判沙汰の事件が発生し話題を呼んでいる。
7月12日、香港法人の株主かつ役員である中国人ビジネスマン(チェン氏、44歳)が、HSBC法人口座の開設インタビューの際に1,350香港ドル相当(約17,600円)の「シャネルNo.5」の香水をHSBC銀行員に渡して有利な対応を受けようとしたのだ。
HSBC銀行員は香水の受け取りを拒否し、これに関する裁判が今週実施された。裁判官はチェン氏の行為を「金融都市香港の評判に影響を与えかねない重大な犯罪」と判断し、6ヶ月の禁固刑を言い渡した。
実はチェン氏は2012年の時点で一度香港法人の口座開設に成功していたようだが、2016年2月に、「長期間使用されていない」という理由で閉鎖されていたとのことが報告されている。
そして2016年6月、チェン氏は再度口座開設を試みようとしたが、事業内容の説明についてさらに詳細な資料を求められるなど以前より明らかに厳しい条件を突き付けられ、「銀行員と仲良くなる」行為を思いついたのだと言う。
中国本土でも賄賂はもちろん違法行為だが、裏では「手土産」のような感覚で頻繁におこなわれている。いずれにせよ、香港ではそのような行為は通用しなかったようだ。
さて、この先香港の法人口座開設の審査はどこまで厳しくなるのかという不安があるが、9月20日にはHSBCアジア太平洋地区のCEOピーター・ウォン氏が、マネーロンダリングなどの金融犯罪への取り締まりが世界でますます強まっており、香港での口座開設審査はさらに厳しくなる可能性がある、と伝えていることからも、悲観的にならざるを得ない状況である。
実は9月8日にHKMA(香港金融管理局)は香港の銀行向けガイドライン「De-risking and Financial Inclusion(リスク回避と金融包摂)」を発表しており、口座開設の難易度が緩和されるのでは?と期待が高まっていたばかりであるが、このガイドラインは強制力のあるものではなく、まだまだ口座開設の難易度は下がらないというのが一般的な認識のようだ。
しかし、HSBC以外の銀行に関して言えば、各銀行により方針は若干異なり、日本人でも口座開設が比較的容易な銀行が存在する。ただ、これらの銀行もいずれはHSBCと同じレベルまで審査が厳格化される可能性が十分考えられるので、開設は早めにおこなうのが得策だろう。
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