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2015.06.16

日銀の防衛ラインは125円?

6月10日の衆院財務金融委員会の質疑中に、日本銀行の黒田総裁が「実効為替レートではかなり円安」、「これ以上に実効為替レートが円安に振れることは、普通に考えればありそうにない」と述べました。

中央銀行が為替レートに言及することは極めて稀のため、この日の為替レートの1米ドル当たり125円が黒田総裁の防衛ライン、すなわち「黒田ライン」となりました。

黒田総裁は元財務官時代だった2000年前後に頻繁に円売り介入を行い、円高阻止に成功した人です。通常、介入は日銀が行いますが、実際の介入命令は財務省が行います。そのため、今回の日銀総裁の発言がいかに異例かということがわかります。

実際に日本銀行が発表している日本円の実効為替レートを見てみると、1980年の統計以来最低数値となっています。1980年の為替レートが1米ドル当たり200-260円だったことを考えると、現在がいかに円安かがわかります。一方、ドルインデックスも2003年以来の高値で推移しています。
https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/fx180110002.html

この行き過ぎた為替に対して、今年後半は転換点となりえるニュースが続きます。米ドルは「利上げ」、ユーロは「ギリシャ」、円は「日銀」がキーワードとなり、新たなトレンド相場を形成していくかもしれません。

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