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マーケット情報

2015.12.15

アメリカ利上げで香港不動産が下落?

明日12月16日、アメリカでFOMCの政策金利発表があり、9年半ぶりに金利が引き上げられると大方予想されていますが、香港ではその影響で来年には家賃が5~10%下がると不動産業者が発言、一部の投資銀行は住宅価格が最大30%下がると予想していることがわかりました。

香港ドルは米ドルとペッグ制により連動しているので、アメリカが利上げすれば香港でも利上げが行われ、経済が失速することでこれまでほどは不動産が売れにくくなると予想されます。

加えて、2016年には将軍澳(しょうぐんおう)や西貢(サイクン)などをはじめとする新界地区で26,000件の新物件が完成するため、ディベロッパーは値段を下げてでも中古物件を早々に売り払うだろうと、香港の不動産業者「Midland Realty(美聯物業)」の住宅部門代表が発言しました。

また、「Ricacorp Properties(利嘉閣地產)」の代表は、新物件が増えることで中古物件の販売件数が18%程度下がり、販売価格は5~10%低下、家賃も10%下がると予想しています。

香港ではこれまで投資が行き過ぎた状態で、ここ12年間で不動産価格が360%上昇していました。利上げが決定すればさまざまな面で経済の混乱が予想されていますが、家賃が下がることが実現すれば香港で生活する市民としては喜ばしいことと言えるのではないでしょうか。

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2015.12.07

2015年内の米利上げはほぼ確実か

12/16(水)のFOMC政策金利発表まであと約1週間となりました。専門家の間では、そこで米国の利上げが発表されることはほぼ確実であると考えられています。

直近では、12/4(金)の米雇用統計発表でも市場予想を上回る結果が出ており、イエレンFRB議長も利上げに対し意欲的な発言をしていました。

今回利上げが発表されれば、約9年半ぶりという歴史的にもかつてない期間をあけた利上げとなります。

1987年、1994年、1997年、1999年、2004年、の過去5回の利上げでは、多くの場合、利上げの3~6ヶ月前からは米ドル高で、利上げ後6~9ヶ月程度は米ドル安となっています。1997年は例外で、利上げ後も米ドル高が進みました。

今回のように、長期間利上げも利下げも実施されていなかったのは、アメリカの経済史上初めてであるため、市場が過去の例と同様の動きを見せるのかどうかは予想が難しいようですが、まずは来週のFOMC政策金利発表時にどのような動きがあるのか、注目したいと思います。

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2015.09.10

香港金融管理局(HKMA)の為替介入

9月に入り、香港金融管理局(HKMA)が合計約155億香港ドルの香港ドル売り(米ドル買い)の為替市場介入を実施したことが報道された。

通過管理制度において、香港ドルは米ドルと連動する固定相場制(ペッグ制)が採用されているため、1米ドル=7.75~7.85香港ドルの間で固定されるよう香港政府が必要に応じて適時介入を行うことになっている。

香港ドル売り介入が行われてたといことは、香港ドルが大量に買われた、ということになる。

はたして誰が香港ドルを買ったのか?

答えは香港人のようだ。

これまで香港では、人民元の上昇期待と金利の高さなどから、多くの香港人や香港企業が人民元の投資や保有を行ってきた。しかし、先月の中国人民元切り下げにより、人民元から香港ドルへ戻しているようだ。

1997年のアジア通貨危機では、多くのアジアの通貨が売られたが、香港ドルは為替介入によりなんとか死守した。

今回の中国バブル崩壊では、香港ドルが買われる、という逆の現象が起こっている。

香港経済は中国経済に依存しているため、香港ドルが避難通貨には通常成り得ないのだが、皮肉なことに米ドルペッグ制により人民元の避難通貨として機能したようだ。しばらくは、香港ドル買いのトレンドは続くだろう。

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2015.09.07

中国企業株価大幅下落、香港株式市場への影響は?

8月の中国人民元切下げや上海株式市場の暴落により、世界中の株式市場では中国の実体経済の先行き不安を反映して、大幅な株価下落が続きました。その中でも、上海株式市場に最も影響を受けた地域は「香港株式市場」で間違いないでしょう。

香港市場が影響を受けやすい理由は、大きく2つあります。
1つ目は、香港が中国経済に大きく依存していること。
2つ目は、香港株式市場に多くの中国企業が上場しているためです。

香港株式市場に上場している中国企業は、H株やレッドチップと呼ばれています。

H株は、「資本と登記場所が中国本土」の上場企業のことを指します。
レッドチップは、「資本が中国本土、登記場所が中国本土以外(香港、ケイマン、バミューダ等)」の上場企業のことを指します。

香港株式市場のハンセン指数は、上位銘柄の約50社で構成されています。そのうち香港企業は24社、残りの26社は中国企業(H株9社、レッドチップ12社、その他5社)となります。

このように香港市場の時価総額の7割を占めるとされているハンセン指数であっても、中国企業は大きな割合を占めています。中国企業が多い理由としては、中国の市場より香港市場の方が上場し易く、資金調達が容易となっているためです。ハンセン指数ETFや香港ファンドを持っている方は、この機会にファンドの中身を確認することをお勧めします。

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2015.08.28

中国人民元切り下げ、香港への影響は?②

投資意欲が下がり、香港の地価高騰が抑えられる?

香港の市民は、中国本土の富裕層による投資の影響で香港内の地価が高騰しているという問題に大いに悩まされています。元安により香港への投資は控えられるのでしょうか。

8月11日の人民元切り下げから二週間程度、中国本土内の資産価値が今後さらに減少するのではないかと懸念した投資家たちが香港の物件を大量に購入しているようです。この流れに乗り、短期的には、香港への投資は急激に増加する可能性があります。

しかし、長期的には、元の価値が下がるにつれて香港の物件の割安感が下がり、投資意欲は減退するものと予想されます。これにより地価高騰が抑えられれば、香港市民にとっては良い影響であると言えるでしょう。

ただし、中国本土にとっての香港へのアクセスの良さを考えると、その他の国で投資するよりも望ましいという観点から、投資意欲が下がることはないという見解もあります。

香港内の消費活動への影響は少ない?

香港での消費者の行動に対してはどのような影響があるのでしょうか。

ショッピングモールでの売上をみると、ハイブランドは中国本土からの観光客に売上を大きく依存しているため、閉店に追い込まれている店舗も増えています。

ハイブランドに依存しないタイプのテナントでは基本的に香港市民からの安定した来店が見込まれているため、中国本土からの観光客の減少による影響は少ないと考えられています。

小売業全般で考えると、昨年の売上の38%が中国本土からの観光客によるものであったこともあり、さらなる元安が続けば売上の大きな減少につながると考えられています。

これは最終的に、地主が家賃の値下げを行わざるを得ない状況になると予想されており、そこから長期的には市場の動向に応じて安定すると考えられています。実体経済を反映して落ち着くことになり、結果的に消費者の行動にも影響は少ないといえるでしょう。

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